「今晩、軽く一杯どう?」——かつては職場の親睦を深める魔法のフレーズだったこの一言も、令和のオフィスでは非常に取扱注意な言葉になりつつあります。職場の中心層であるゆとり世代(30代)と、若手として独自の存在感を示すZ世代(20代)。この両者の間で最も価値観のギャップが露わになるのが、「飲み会やアフター5に対するスタンス」です。
上司からの飲み会文化を経験しつつも下への配慮に挟まれるゆとり世代と、「お金と時間が拘束されるなら行きません」と合理的に判断するZ世代。今回は、会社の飲み会をめぐる両世代のリアルな葛藤と本音を、クスッと笑えるあるあるエピソードとともに紹介します。
1. 飲み会への参加理由と「モチベーション」の決定的な違い
アフター5の飲み会に対して、そもそもどのような目的や価値を感じているのか。最初の段階から両者のスタート地点は異なっています。
ゆとり世代の「本音と建前の間で揺れる板挟み参加」
ゆとり世代は、上司(バブル世代や氷河期世代)からの「飲みにケーション」をリアルに経験してきた世代です。「お酒の席でしか聞けない本音がある」「仕事の潤滑油になる」という感覚を一定理解しつつも、自分自身も無理な付き合いは嫌いという矛盾を抱えています。
そのため、職場の飲み会には「仕事の一環」「チームワークづくりのための投資」と自分に言い聞かせて参加することが多く、上司の機嫌を取りつつZ世代の後輩が退屈していないか気遣うという、非常に神経を使うポジションで立ち回っています。
Z世代の「対価(給料・料理・楽しさ)が見合うか」の合理的判断
Z世代にとって、アフター5は完全に個人のプライベート時間です。そのため、飲み会に参加するかどうかの基準は極めて明確で、「その時間とお金を払う価値があるか(タイパとコスパ)」にかかっています。
「会社のお金で美味しいご飯が食べられる」「尊敬する先輩と面白い話ができる」といった明確なメリットがあれば参加しますが、「説教を聞かされる」「お酌や気遣いをさせられる」と感じる飲み会には一切の価値を見出しません。「行けたら行きます」という曖昧な返事は使わず、「予定があるので失礼します」と断る強さを持っています。
2. 飲み会中の立ち振る舞い!「気遣い」と「マイペース」
いざ乾杯が始まり、宴の席がスタートした現場でも、両世代のスタイルの違いが鮮やかに浮き彫りになります。
ゆとり世代の「サラダ取り分け&グラスチェックの職業病」
ゆとり世代が若手だった頃は、飲み会における「サラダの取り分け」「先輩のグラスの空き具合チェック」「注文の取りまとめ」が暗黙の了解として叩き込まれていました。そのため、30代になった今でもお酒の席に行くと自動的に身体が動き、注文ボタンを押したり空いた皿を下げたりしてしまいます。
自分が後輩にそれを強要するつもりは毛頭ないものの、Z世代の後輩がマイペースに自分の好きなドリンクを注文し、手元のスマホを見ながら料理を楽しんでいる姿を見ると、「時代は本当に変わったんだな…」とジェネレーションギャップにクラクラしてしまいます。
Z世代の「無理なお酒は飲まない&素の自分で楽しむスタイル」
Z世代はお酒との付き合い方もスマートです。若者の「ソバーキュリアス(あえてお酒を飲まない生き方)」トレンドも手伝い、1杯目からソフトドリンクやノンアルコールカクテルを注文することに何の躊躇もありません。「とりあえず生で!」の同調圧力には一切屈しないのが彼らのスタイルです。
また、上司や先輩の昔話や自慢話が始まると、露骨に退屈そうな表情を浮かべるわけではありませんが、すっと静かに気配を消し、自分のペースを崩さずに料理を味わいます。気を遣いすぎて疲れるくらいなら、最初から参加しないかマイペースを貫くのが彼らの自己防衛術なのです。
3. 次の日への影響と「アフターフォロー」の作法
飲み会が終わった後、そして翌朝のオフィスでの立ち回りにも、それぞれの世代ならではの文化とこだわりが存在します。
ゆとり世代の「翌朝の一言『昨日はありがとうございました』ルーティン」
ゆとり世代にとって、飲み会は「翌朝の挨拶」まで含めてワンセットです。飲み会が終わった夜のLINEやチャットで「今日はごちそうさまでした!」と送り、翌朝出社した際にも幹事や上司のデスクへ出向き、「昨日はありがとうございました」と一礼するのが社会人としてのマナーだと教え込まれてきました。
この一連のアフターフォローを行うことで、昨夜の無礼講(?)をリセットし、再び仕事モードへと気持ちを切り替えるのです。
Z世代の「終わったら終了!翌日は通常通りのフラットさ」
Z世代にとって、飲み会が終わった時点でそのイベントは完全に完結しています。わざわざ翌朝に「昨日は…」と改めてお礼を言いに行く習慣はあまりなく、普段通り「おはようございます」と挨拶してデスクに着きます。
ゆとり世代からすると「お礼の一言もないのかな?」と一瞬モヤっとすることもありますが、Z世代からすれば「お礼は昨日の解散時に言いましたし、今日は新しい業務の日ですから」という極めて合理的な思考に基づいています。ここでも、儀礼を重視するゆとりと、実質を重視するZ世代の価値観が交差しています。
まとめ:お互いの「居心地の良い距離感」をリスペクトしよう
「気を遣いながらも飲み会をコミュニケーションの場として活用したいゆとり世代」と、「自分のプライベートと時間を何より大切にするZ世代」。
かつての「強制参加の飲み会文化」が薄れ、選択の自由が生まれた令和の時代だからこそ、お互いが無理をしない距離感を保つことが大切です。
飲み会に行くのも行かないのも個人の自由。参加した時にはお互いの価値観の違いをエンタメとして楽しみ、参加しない選択も心地よく尊重し合えるような、しなやかな職場環境を作っていきたいものです。


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