「言われたことしかやらない」「空いた時間があるのに『次は何をすればいいですか?』と聞いてくる」。そんな指示待ちスタイルのZ世代の後輩に、内心イライラを募らせている30代前半の先輩は多いはずです。
「自分で考えて動くのが仕事だろ」と平成の常識をぶつけたく subterranean(ぶつけたく)なりますが、彼らが指示を待つ背景には、サボりたいという気持ちとは別の「失敗への強い恐怖心」があります。今回は、自発的に動けない後輩を、自走する部下に変えるためのアプローチについて記録します。
1. なぜZ世代の後輩は「自分で考えて動く」ことができないのか?
彼らが自発的に動かないのは、主体性がないからではなく、動けない明確な理由があるからです。
① 「間違った行動をして怒られたくない」という減点方式への恐怖
デジタルネイティブである彼らは、ネットの口コミやレビューを見て、最初から「正解」や「失敗しないルート」を選んで生きることに慣れています。そのため、ビジネスという正解がわからない環境において、自分の判断で動いて「それは違う」と先輩から否定されることを極限まで恐れています。結果として、「指示を待って、言われた通りに動くのが一番安全」という結論に至るのです。
② 「空気を読む」ことの過剰な最適化
学校教育の現場からSNSに至るまで、「和を乱さないこと」や「同調圧力」を強く意識して生きてきた世代です。「余計なことをして先輩の仕事を増やしたら申し訳ない」「出しゃばって目をつけられたくない」という、彼らなりの配慮や気遣いが、結果として「指示があるまで動かない」という消極的な形として表れてしまっています。
2. 後輩をフリーズさせる先輩の「NGな指示出し」
先輩側がよかれと思って出している指示が、実は後輩の自発性をへし折っているケースが多々あります。
① 「適当にやっといて」「いい感じにまとめて」という抽象の極み
30代の私たちは、この「適当に」という言葉の裏にある文脈を読み解く訓練をしてきましたが、Z世代にこの指示を出すと、彼らはどう動いていいか分からず完全にフリーズします。適当の基準が人によって違うことを知っているため、下手に動いて的外れなものを提出するリスクを避け、指示が具体化されるまで待機するモードに入ります。
② 「何かあったら聞いて」という丸投げの優しさ
一見、優しい先輩の言葉に見えますが、後輩からすると「忙しそうな先輩の時間を、いつ、どのレベルの質問で奪っていいのか」の基準が分かりません。「こんな初歩的なことを聞いたら呆れられるかも」と考え、結局質問できずに時間が過ぎていく原因になります。
3. 指持待ち後輩を「自走」させる具体性の魔法
彼らのスイッチを入れるためには、正解のレールを最初は先輩側が細かく敷いてあげることが必要です。
① 5W1Hと「数値」を用いた徹底的な具体化
仕事を依頼する際は、「来週までに適当に資料作っておいて」ではなく、「〇月〇日の14時までに、〇〇クライアント向けの提案書(パワーポイントで10枚程度、過去のA社のフォーマットをベースに)の初稿を作ってほしい」と、期限、目的、クオリティの基準をすべて数字と固有名詞で伝えます。ゴールが明確になれば、彼らは迷いなく動き出せます。
② 裁量を「小さく切り分けて」渡し、成功体験を積ませる
いきなり「自分で考えてやってみて」と大きな丸投げをするのではなく、最初は「この3つの選択肢の中で、どれが一番良いと思う?理由も含めて教えて」というように、小さな選択をさせることから始めます。自分の意見が採用され、仕事がうまく回るという小さな成功体験を繰り返すことで、徐々に指示を待たずに「私はこう考えます」と言える自発性が育っていきます。
まとめ:指示待ちを作るのは、先輩の指示の解像度である
後輩が動かないのは、彼らの能力の問題ではなく、こちらの指示の解像度が低いからかもしれません。「トピックミスト -令和的備忘録-」のこの具体化ハックを取り入れ、まずは指示を徹底的にクリスタルクリアにすることから始めてみましょう。丁寧な仕組み作りこそが、優秀な部下を育てる最短ルートです。


コメント